2015年4月1日
これまでに個人での展示会を3回ほどやっていたが、合同展に出してみようということで、いろいろ探したが、やはり費用が異常に高い。
他のブランドと違って金持ちの家の人ではないので、自分の商品を売って、それで回してきた完全なる叩き上げである自分にとっては、出店費用は40万も払うなんてバカバカしいにもほどがあるという感じだった。
そして自分が働いていた小さなブランドも、展示会をやっても全然売れてないのを経験していたので、これだけの認知度で、集客力なら40万円じゃあ赤字だというのは分かりきっていた。そんな中見つけたのが、東京ビッグサイトで開催されるファッションEXPOである。正直ダサい感じだろうからあまり気が進まなかったが、やるしかないと思い、新作のスワッチ作りなど、入念に行なった。
この超大規模な展示会では主に企業ブランドや、海外の企業の出店が多いのだが、デザイナーズゲートという新人ブランド向けの低価格なブースがあり、そこに出展させていただいた。
結論から言うと大成功した。どのようにかというと、日経新聞電子版の映像では会場中で500ブランドある中でうちだけが取り上げられた。取材されて、そのあと映像をとられた。他には産経新聞にもデザイナーズゲート内でうちだけが取材され、ファッションジャーナリストの記事にも取り上げられ、一番の収穫というか、今につながるきっかけとなったのが、百貨店バイヤーからの出店依頼だった。忘れもしない、最初のひとり、静岡松坂屋の矢島さんである。
脱線→
矢島さんは今でも交流があり、その後も沢山の店舗を紹介してくれたり、うちのブランドの商品も買ってくれたりしている。
最初のコレクションに出した、グラデーションコートも今回の展示会にも出していて、それに食いついて声をかけてくれたのだ。
やはり、「いいものはいい」のだ。アートもそうだが、作品の持つ力はすごい。もちろん、作る人の感性もすごいのだが、作品はひとりの人格を持っているような気がする。それを生み出すのが作家であり、デザイナーである。だから時より、自分自身より頼りになると思う作品、作品そのものに感謝するような作品が生まれる。
自分が生み出したんだけど、自分でも信じられないというか、よくSFの世界で、博士がAIの人型ロボットを作ってそれに学ばされることが多いというのと似ている気がする。
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他にも展示会での結果としては、他の百貨店にも声をかけていただいたことだ。そして、隣のブースに出していた方々と繋がれたこと、隣のブースの方々に梅田阪急の担当の林さんを紹介していただいたこと。林さんはパリでもご飯するほど仲良くしていただいている。今でも阪急では毎年年間3,4回ポップアップショップを開催させていただいている。
他にも、個人のお客様に数名受注していただいたこと、ここで初めてセレクトショップのバイヤーさんに受注していただいたことなど、予想を遥かに超える成功を収めた。